適合率と再現率とは【図解でわかりやすく】
最終更新日:2026年7月14日
30秒でわかる結論
適合率(Precision)=「陽性と予測した中で本当に陽性だった割合」=TP÷(TP+FP)。再現率(Recall)=「実際に陽性の中で正しく発見できた割合」=TP÷(TP+FN)。2つはトレードオフの関係。「どちらが高くても困る場面があるか」を場面ごとに判断する視点が試験でも実務でも重要。両方のバランスを見るのがF値(調和平均)。
適合率=「陽性と予測した中で」本当に陽性だった割合。再現率=「実際に陽性のうち」正しく見つけられた割合。
混同行列の続きとして、実務でもよく使われる2つの評価指標をセットで押さえましょう。
図解
解説
適合率(Precision)は予測の的中率です。迷惑メール判定なら「迷惑メールと判定したもののうち、本当に迷惑メールだった割合」。適合率が低い=大事なメールまで迷惑メール扱いする「空振り」が多い、ということ。誤って陽性にすると困る場面(正常品を不良品と誤判定して捨てる等)で重視します。計算式は TP ÷(TP+FP)。
再現率(Recall)は取りこぼしの少なさです。がん検診なら「実際にがんの人のうち、検査で発見できた割合」。再現率が低い=見逃しが多い、ということ。病気の見逃しや不正の見逃しが致命的な場面で重視します。計算式は TP ÷(TP+FN)。適合率とはトレードオフの関係で、両方のバランスを見るのがF値です。
具体例
迷惑メールフィルターで適合率を優先した場合:「迷惑メールと判定したものは確実に迷惑」になるが、迷惑メールを見逃しやすくなる(再現率が下がる)。がん検診で再現率を優先した場合:「がんの人をできるだけ見逃さない」設計になるが、健康な人も「がんの疑い」と判定しやすくなる(適合率が下がる)。このトレードオフを意識するのがポイントです。
間違えやすい類似用語
- F値(F1スコア):F値は適合率と再現率の調和平均で、両方のバランスを1つの数値で表す。どちらか一方が極端に低いと全体のF値も下がるため、バランス重視のケースで使う。
- 正解率(Accuracy):正解率は全体のうち正しく予測できた割合。クラスが偏っているデータ(病気の人が少数)では正解率だけでは不十分で、適合率・再現率が必要。
覚え方
適合率=空振りチェック(陽性と言った責任)/再現率=見逃しチェック(本物を何割すくえたか)
試験での問われ方
G検定では「適合率と再現率の計算式」「どの場面でどちらを優先するか」「トレードオフの関係」が頻出。計算式は必ず覚え、「スパムフィルター→FP(空振り)を避けたい→適合率重視」「医療診断→FN(見逃し)を避けたい→再現率重視」という使い分けを理解しましょう。
確認問題
がん検診AIの設計者は「実際にがんの患者を1人でも見逃したくない」と考えています。設計上、最優先に高めるべき評価指標はどれですか?
- A. 適合率(Precision)
- B. 正解率(Accuracy)
- C. 再現率(Recall)
- D. 特異度(Specificity)
正解:C. 再現率(Recall)
「見逃しを減らす」=偽陰性(FN)を減らす=再現率(Recall)を高める、が正解です。再現率=TP÷(TP+FN)で、実際に陽性の患者のうち何割を発見できたかを示します。適合率は「陽性判定した中の的中率(空振りを減らす指標)」で、がん見逃し対策とは目的が違います。
関連用語
出典・参考資料
- G検定公式テキスト(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)
- scikit-learn — Precision, Recall, F-measure
監修:横浜ITコンサル合同会社
提供:横浜ITコンサル合同会社